ネットクイズ界を縦横無尽に駆け抜けるでぃーどせんせー、と呼ばれてます。最近は上の写真のようにクイズやったり文章書いたりしてます。ページをwoman.exciteに移したいなぁと。コメントはご自由にどうぞ。


by banijya
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2005年 08月 11日 ( 1 )

約束の重み。(後編)

第7チェックポイント「フィリップ島」

残ったメンバーをじっくりと眺めてみた。

私の右隣、青杜さん。
前回チャンピオン。早押しの速度は一級品。
知識量もある。ただ、アメリカ在住らしく、カタカナ言葉の答え
にならないと若干躊躇するところがあるのでその間隙をつけば勝機はある。

一つ席をあけて、くげさま。
呑んでばっかりというわけではなく、クイズに賭ける情熱は一級品。
ただ、勢いにのせると手がつけられない。反面、意外に勝負弱い
一面を持つ。私とは得意ジャンルがかぶるので決勝でぶつかると怖い。

一番左端、陽気な泡さん。
SAKUGE2004、第4位。
確実に勝ち進むスタイルは私と似通っている。
ただ、勝負の際には足が鈍る。つまり、待ちの姿勢になりやすいのが
陽気な泡さんの特徴。先手を打って仕掛けられると、
手が躊躇することが多い。


そして、残った私の左隣の席。

私は、きっどんが来るんだと思っていた。いや、願っていた。
だがしかし、それは叶わなかった。

「ハクホウクンさんが入室しました」

拍手はしたが、あまり気乗りはしなかった。
若干心が折れそうになった。
ひでぽんさんが私に話を振ってくる。

ひでぽん「今の率直な気持ちはいかがですか?」

素直な気持ちを記した。
「負けられない戦いになりました。はい。」

ひでぽん「きっどさんから、ちゃんちゃんこと
あなたへの伝言を預かっております。」

Σ( ̄□ ̄;)←これも素直な気持ちだった(笑)。

きっどん「シェールさん、ゴールドコーストの約束どおり、
優勝してください。約束ですよ。」

大きな約束をしたと思った。緑のちゃんちゃんこは
やっぱり何か大きなものを感じる。

そしてそれはきっどんとの2度目の約束。
単なるネットクイズなのに、本当に一緒に旅をしてきたかのような
そんな不思議な気持ち。それを実感している自分がそこにいた。

準々決勝・パートナークイズ。

2番手押しまで可能。指の遅い私にはありがたい形式。
じっくり待つというタイプではないが、押し負けてもいい、
という気持ちが精神的に私を穏やかな気持ちにさせた。

誰と勝ち抜けたいか。
残ったメンバーで一番手の内をわかっているくげさんにした。
きっどんが去ったあと、決勝で一番戦いたい相手になった。
こんな呑んでばかりの鰺ヶ沢芸人だけど、やはり戦い甲斐のある
相手ではある。のこりのメンバーもひとくせもふたくせもあるが
このお祭り貴族にはまだまだ及ばない。

きっどんを破って勝ち上がってきたハクホウクンさん。
正直、よくわからない人だ。
強いのか、弱いのかも不明。
正体もわからない。何ともいえず不気味で気持ち悪い。
ただ、パートナークイズではこの人を潰す、という気持ちで
挑んだ。変な言い方をすれば、きっどんの敵討ちといったところ。

スタートして2問。
全く反応できないスロースタートぶり。
その間にささっとポイントを稼ぐ周囲。てか特にくげさま(笑)。
何とか3問目で「くじら」で初正解。
4問目、シーザリオを押し負ける_| ̄|○
このあたりから、とりあえずパートナーは誰でもいいから
答えられる問題は暴発気味に全部押していこうという思考回路に。

そうこうしているうちにさくっと青杜-ハクホウクンが勝ち抜ける。
ここで少し気持ちがとぎれた。
残った相手はくげさま、陽気な泡さん。
ポイントは同じ。となると・・・。作戦は決まった。

問題
「主な作品は「虚人たち」「夢の木坂分岐点」や」

この問題は一行目の段階でわかっていた。
ただ、どうしても確定ポイントを出させたかったので
次の行の一文字目が見えた瞬間に押しに行こうと決意。
何とか作戦は決まってリーチ。
これで精神的に陽気な泡さんを追いつめる。

問題
「日本の天気記号で
 二重丸はくもり、では
 地図記号で二重丸は?」

二行目の時点で、そのまま別の天気記号に行くか
はたまた地図記号に行くかぴんと来ない。
でも、次の行で確定はできるはず。
そう思って勝負に行った。

結果的に、陽気な泡さんを振り切った。
陽気な泡さんの敗因は本人が言われる知識量の差ではなく
作戦負けの部分が強いかもしれない。
SAKUGEで4位は知識量の部分だけではないのだから。




準決勝「メルボルン」
スルノカ?風通せんぼクイズ。

誤答ルールとポイントリセットが少し特殊。
押して押して、という形では攻められない。

2問目のオパールを押し負けたときに少しいやな予感がした。

準々決勝から準決勝は連戦。
実はこのチャットクイズで連戦という形式に私は弱い。
古くは「欧州縦横断クリスでクイズ」、そして最近では
去年の「第三回高校生クイズトリビュート」もそうだった。
集中力が続かないのである。

3問目、暴発気味に行ってしまい誤答。これで通過席に
誰かが行くまでお休み。でも、そういうときに限って
わかる問題が立て続けに来る(苦笑)。

くげさまがみんなの誤答で雪崩式に通過席へ。
そこでは誤答があったり、スルーがあったりでなんやかんやで
この問題。

問題
「F1グランプリで唯一」

くげさまの早押し機が反応した。
私にとってはここは確定ポイントではない。
なぜか?問題が様々な方向に流れるからだ。
「日本人としてファステストラップを出したのは誰?」でも
「南米で行われるグランプリは?」でも
「国名と大会名が一致しないグランプリは?」でもいいのだから。

ところがくげさま「モナコ」。

なんと一抜けΣ( ̄□ ̄;)

続きはこう。
「トンネルがあるコースを使用するのは何グランプリ?」

やはり、くげさまは勢いに乗ると手がつけられない。

ここからは自分の勝負。
でも、通過席には立つがなかなかあと一歩が踏み出せない。
残りの二人も通過席に立つが、阻止されてで文字通り三つ巴の
争いを呈していた。

ここを抜け出すためには・・・。

自分の中で、クイズ完璧主義風に一気の3連答でいく、という
気持ちが芽生えた。

青杜さんの通過席を「百条委員会」の一行押しで潰し、
アメリカにあるのはどっち?という問題も青杜さんに押し勝って
通過席へ。

そして最後・・・。

問題
「全国の報徳神社に祀られている、
 倹約の精神で知られる
 江戸後期の農政家は誰?」

思わず指が反応した。
倹約の精神。
農政家。
頭の中で小学校の銅像が思い浮かんだ。

「にのみやきんじろう!(二宮金次郎(尊徳))」

二人を押さえきった瞬間だった。

最後、私が3連答できた部分、よく考えてみると
漢字で答える問題。さらに、アメリカ在住の青杜さん相手に
アメリカの地名問題で押し勝つ幸運。
そして、前回チャンピオンという重圧が彼を包んだに違いない。

ハクホウクンさんは通過席に立ったときに勝負にいけなかったのが
おそらく敗因。通過席で勝負できないと通過クイズは勝てない。
それを体現した人が、私の決勝の相手となった。


メルボルンからロサンジェルス経由で
ニューヨークのニューアーク空港へ。
カンタス航空とアメリカン航空の提携便のビジネスシートに
身を沈めながら、ぼんやりと私は窓の風景を眺めていた。

私から遠く離れた窓側の席にはくげさま。
今どんなことを思っているのだろうか。

さっき、フライトアテンダントのおねぇさんを酔った勢いで
口説いていたから、十二分に旅を満喫しているんだろうけど(邪笑)。

ニューアーク空港に着いたのは現地時間の21時。
そこからホテルに入って、翌日は時差ぼけをとるためぼんやり。
そして、決勝はその次の日、とのことになった。

決戦前日。
くげさまと分かれて、私はたった一人でニューヨークを
動き回っていた。ウルトラ、ではなくってネットウルトラ
でたどり着いてしまったニューヨーク。
人混みが苦手なのに、思わず気持ちが浮き立って散策。
まずは、ネイサンズでホットドッグを15本ほど完食。
うん、食べ過ぎで気持ち悪い_| ̄|○

そして、夜はニューヨークマディソンスクエアガーデンで、
シルクドソレイユの舞台や、ミュージカル「キャッツ」。
ニューヨークから見える東海岸の潮風を夜霧とともに満喫。

34人いたはずなのに、今はニューヨークにたった一人。

ロマンチックな気持ちに浸っている間に、夜がしみじみと
更けていった。明日は後悔しない戦いを。ふかふかのベッドに
身を横たえつつ、静かに休息。



決勝「ニューヨーク」。
お昼はまず、ヘリコプターの撮影からだった。

ひでぽんさんの放送にのせる声が聞こえる。
そして、目の前には遠く離れているように見えた
自由の女神の姿。

ここまで、長かった。

そんな風に、ぽつりと思った。


夜の帳りが、ニューヨークを漆黒の闇へと包み込む。
でも、マンハッタンの風は心地よく、私たちを包み込んだ。

決戦の直前。
食事は各自バラバラでとった。
私の目の前にはオージービーフのステーキが4枚。
食べ過ぎ、とも思いつつ全部平らげた。
(一方のくげさまは泡盛に焼き鳥だったらしい(笑))

個別に与えられた船室で、私はひっそりと着替えた。

くげさまは、最後の戦いにSAKUGEでおなじみの
公家さま衣装で来るだろうと。

私は最後の戦いは、この服にしようと思っていた。

緑の戦闘服風カクテルドレス

長いロングブーツがまぶしい。プリンセス号の階段を
昇る時には絶対にすっころびそうな靴。
さらに、空港の税関で通すのにちょっと手間取った鎧(笑)。

そう、ハイエルフ衣装ではない鎧をスタンバイして決勝で
着ようと思っていたのだった。

「時間です」との声に弾かれるように船室を出た私。

そこには、スーツ姿に身を包み、こちらの服装を見て
口をあんぐりと(゜○ ゜)あけたあと
Σ( ̄□ ̄;)と驚くくげさまの姿があった(笑)。


ひでぽんさんとのインタビューに答えながら、様々な思いが
胸に去来した。くげさん相手の勝負は、実は2回目。
1回目は、「くげさま・Go.Yさん・モトドンさん・シェール」で
アタック25をやって、くげさまに20枚近くとられるという
シャットアウトをやられている。

勢いにだけはのせない。そして、相手よりも必ず先んじる。
それだけを念じて、早押し機に親指を置いた。

1問目「ウォール街」。なんとか正解。
2問目「ロックフェラー」。くげさまに答えを言われて思い出す。
ひでぽんさんはご当地問題を必ず2・3問は入れてくることを
このときやっと思いだした。

3問目「容積率」。くげさまに押し勝つ。
4問目「レギュラー」。くげさまが読ませ押し的に正解。
これはタイミング的に仕方ない。

一進一退の攻防。でも、次の問題で少し流れが変わり出す。

問題
「元気に育っていた赤ちゃんが、
 ある日突然死亡するという
 乳幼児突然死症候群。
 アルファベット4文字に略すと?」

ここでくげさんが反応「PTSD?」不正解。

私は、相手が誤答してマイナスになると、差は2倍になるという
考え方をしている。1ポイントマイナスは、それを乗り越えるために
さらに相手を追い越すためには2ポイント、すなわち2倍になる
という考え方である。この瞬間、私とくげさまには点数上は
「+2対+1」でも、「+4対+1」ぐらいの気持ちになっていた。

で、次の問題。

「問題
 宋の杜黙という人の詩が
 詩の決まりに沿っていない物が多い事が言葉の由来
 である、仕事などで誤りの多い事を
 <ここで反応>
 漢字2字で何という?」

結果的に読ませ押しになったが「杜撰」を正解し、少し差を広げる。

ところがくげさまもしぶとい。

問題
「関西で利用されている鉄道のIC乗車券、
 「ICOCA」と「PiTaPa」。利用額に応じて
 後払いで精算できるのはどっち?」

をなんと勘で正解_| ̄|○

やばいやばい。勢いに乗りそうだ。
さらに次のメロンを正解して、一気に追いつかれる。

こっちは次の「岐阜県」を正解したが
「タタミイワシ」の問題で暴発してしまい、同点のまま。

くげさまも、「大リーグ」の問題で誤答し、ここまでは
まだまだ流れがどちらともに向いていない。

ただ、ここから私の指の反応がよくなってきた。

問題
「歌舞伎などで使われる、
 黒、柿、萌黄の」

「定式幕!」

問題
「新聞1面のコラム欄。天
 声人語は朝日新聞。では編」

「読売新聞!」

問題
「ベトナム語で「刷新」」

「ドイモイ!」

なんと普段では考えられない1行押しまで敢行して3連答。
これでくげさまとの差は4ポイント差に。

くげさまも「和田」を正解して、まだまだといった印象。
でも、私の勢いも止まらなかった。

問題
「囲碁で碁盤の」

「天元!」

問題
「最近人気の外国人、
 ボビーオロゴンの」

「ナイジェリア!」

ことごとくくげさま相手に押し勝つ。指が遅い、という自分は
結局自分自身、そうだと思いこんでいるにすぎない。
それを乗り越えるには、確実な知識とそれを瞬間的に
導き出せるかだけだと痛感した。

ここで私は+8。
くげさまはここから1行目での勝負を賭けてくる。

問題
「1909年10月26日、ハルビンで」

くげさま「あんじゅうこん」

これも伊藤博文との二択になるのだが、くげさまは正解を引き当てる。


そして事実上くげさまを追いつめたこの問題。

問題
「現在の相撲の国技館は両国国技館。」

「蔵前国技館!」

あとで、くげさまが一番の敗因にあげていたのがここだった。
この問題で私はリーチ。くげさまとは5ポイント差。
くげさまはとにかくチャージをかけてくる。

私はわかる問題が来るまでじっくり構えようと思った。
でも、それがとことんまでくげさまに押し負けるモードに。

6問連続で解答権がとれずに、出てきたのがこんな問題。

問題
「今年のサミット、先進国首脳会議が開催された国は
 イギリス。では来年の
 サミットが開催される国は?」

思わず指が反応してしまった。サミットなのだから
6カ国のうちのどれか。どこにしようかなと思ったあげく・・・

「フランス」(ぶー)

(あるぇ?←心の中の声)

激しく勘違い。おかしい。やっぱり固くなっていたみたい。

あと2ポイントに戻ったが、もう一度気を引き締め直す。

競艇の「SG」を拾って、再リーチ。
今度こそ、との気持ちで待つ。
くげさまはまだまだ、勝負をあきらめることなくがんがん攻めてくる。
マイナスになっても、一進一退でずっと手をゆるめない。

あと一問。それにたどりついた問題がこれだった。

問題
「「てん突き」と呼ばれる道具で
 その形が作られる、漢字で」

一行目で答えはわかった。でも、さっきの杜撰のように
漢字2字で答えさせる、という形だと一行目で答えたら不正解
になってしまう。だからじっくりと二行目まで待った。そして
早押しハットがカタッと音を立ててあがった。

「ところてん!」

第二回アメリカ横断スルノカ?クイズを制した瞬間だった。

ミスブルックリンはとってもすてきな笑顔だった(w
シャンパンを呑んだあとはよく覚えていない。

ただ、きっどんに対して面目が立ったという気はある。
だから勝てて嬉しいというよりも正直、ほっとしたという
思いの方が遙かに大きかった。

女神は静かに微笑んでくれた。

イーストリバーの風にさらされながら、私の白いマント
がぱたぱたとなびいていた。

ちょっと寒かったけど、勝ててしあわせ。

それ以上に大きな何かをつかみ取った気がする。

その夜。

私はミスブルックリンを部屋に連れ込んでどんちゃん
騒ぎをしたらしいがよく覚えていない(苦笑)。



優勝賞品を受け取るために
ニューヨークのJ・F・ケネディ空港へ。
ここに来るのは二回目。一回目はラトルウで来た(だから(笑))。
そういえば、それでメルボルンからもJFK空港じゃなかったんだ
と少し合点がいった。

アイマスクとヘッドホンをひでぽんさんから受け取った。
流れている音楽はずっと
「俺はジャイアン」(空き地リサイタルバージョン)。

_| ̄|○ _| ̄|○ _| ̄|○ _| ̄|○ _| ̄|○

空き地のリサイタルでピンクのマスカラを塗るジャイアンは
どうかしてると思う、とかいろんな事を思いつつ飛行機へ。

さらに、ヘッドホン・アイマスク付きなのに国際線の
税関を通ってしまうJ・F・ケネディ空港もどうかしてると
思いつつ飛行機は離陸(この部分はフィクションです)。

そして約12時間。
頭の中が「ボエ゛~」となりながら、約189回目の
「俺はジャイアン」を聞いたとき、ひでぽんさんが一言。

「あと車で6時間くらいです。」



_| ̄|○


18時間後。

やっとついたここは網走。

陽気な泡さんが登場し、渡されたエミューの卵。

これでつくられたどら焼き。

それが優勝賞品だった。



でも、そんな優勝賞品よりも、もっとステキな何かを
手に入れることができた気がする。

そのあと、私は十勝地方で十勝二十番勝負を行い、
十勝に十勝されて(笑)、苫小牧からフェリーで
北海道をあとにした。

ついたのは敦賀。

たくさんの思い出と、さまざまな絆を確かめられた旅の終着地。

大きな荷物を持って、私は
特急サンダーバード京都行きに乗り込んだ。




そう。


もう、次の戦いが始まるのだから。


2005/7/28 セリス・シェール。
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by banijya | 2005-08-11 21:43 | たびのにっき。